片頭痛の方は思っていたよりずっと多い。でも「記録が続かない」という壁は、たいてい同じところにあります。
痛いときに机に向かって書くのは無理。落ち着いた頃には、もう思い出せません。
「この2か月どうでした?」に、はっきり答えられない。薬が効いているのかも、なんとなくでしか分からない。
月に何日飲んだか数えていない。気づかないうちに増えていることがあります。
つくっているのは片頭痛の当事者です。だから、続けられるかどうかを最優先にしています。
頭痛ダイアリーを先生からもらっても、いつも持ち歩いているわけではありません。そして、いざ頭痛のときは痛くて書けない。頭がガンガン・ズキズキして、光もつらく、できればスマホの画面も見たくない——そんな状態です。
想像以上に痛くて、きつくて、何もできない。その状態を実際に経験しているからこそ、「その中でも、なんとか入力できる」ところまで削って設計しました。ボタンは3つ。時刻は自動。保存ボタンはありません。ホーム画面のウィジェットなら、アプリを開く必要すらありません。
私自身、少し前まで市販薬のバファリンやイブでなんとか凌いでいました。専門の頭痛外来にかかって、はじめてトリプタンという選択肢を知りました。あのころの自分のような人が、いち早く適切な医療にたどり着けたら——そう思いながらつくっています。市販薬で耐える日が続いているなら、記録を持って一度、頭痛を診てくれる医療機関へ。
記録そのものは、治療の土台として学会のガイドラインでも強く推奨されています。一方で「紙で続けることの負担」は、臨床の場で繰り返し指摘されてきた課題でもあります。
途中で書くのをやめてしまう。診察の直前に思い出しながら書く。持参を忘れる。
→ ウィジェットから1タップ。自動保存で「書き忘れ」が起きない。
あとからまとめて書くと、「薬を飲んで何時間で消えたか」「どのくらいの強さだったか」が曖昧になる。
→ 時刻は自動。2時間後に通知が来るので、その場の実感で残せる。
光がまぶしく、音がつらく、吐き気もある状態で、紙とペンを出して細かい字を書くのは無理がある。
→ 押すのは3つのボタンだけ。まぶしくない配色。あとから書き足せる。
このアプリは、この3つがつながっていることだけを考えて作っています。
痛みの強さを押すだけ。時刻は自動。アプリを開かず、ウィジェットで入力完結もできます。

飲んだ薬ごとに「2時間後」と「24時間ぶり返し」を記録。効いている割合が自動で集計されます。

分析タブの期間をワンタッチで切り替え。この画面を見せるだけで経過が伝わります。紙が要るときはPDFに。

実際の画面です。痛いときの操作は少なく、あとから振り返れる情報は多く。

医療機関で使われている頭痛ダイアリーの項目をそろえたうえで、痛いときの操作だけは極限まで減らしています。画面には説明文を置いていません。読む文字は少ないほうがいいからです。

クリニックの「片頭痛の急性期治療薬 効果チェックシート」を、そのままアプリにしています。服薬1回=1レコードです。

ホーム画面のウィジェット(縦1マス)

押すとホームの上にポップアップ。本体アプリは開きません
いちばん記録が途切れやすいのは「アプリを開く」ところ。ホーム画面のボタンから直接ポップアップが出ます。スマホの画面を見ていられない状態でも、ここまでなら押せます。

マスの上半分が午前、下半分が午後。強さで色が変わります。

受診のとき、いちばん使う画面です。説明しなくても、数字が経過を語ります。

限られた診察時間でパッと判断されるのは 重症度・薬の効き目・薬物乱用頭痛(MOH)のリスク。この3つを番号つきで、その順に並べています。

頭痛の日数と、そのうち薬を使った日数を1枚のグラフに並べています。片方だけでは気づけないことがあるからです。

診察日・時間・病院名・内容(診察/MRI/CT/血液検査など)・処方の錠数・メモ。

ふだんは画面を見せれば足ります。それでも紙が要るときのために、頭痛ダイアリー形式のA4を用意しています。
急性期治療薬を飲んで、2時間以内に痛みが消え、24時間ぶり返さない。これが理想のゴールです。
「なんとなく効いた気がする」では、薬を変えるべきかどうか判断できません。このアプリは服薬1回ごとに 2時間後の痛み・日常生活・副作用・24時間以内のぶり返し を残し、薬ごとの達成率として集計します。
※ 画面はサンプルデータです。効き目は1回では判断できません。同じ薬で3回ほどの発作を記録したうえで、医師と一緒に判断します。

同じ画面の「1 重症度」
画面ツアーで触れていない、細かいけれど効くところ。
痛いときでも迷わないこと優先
すべて自動保存。「保存し忘れた」が起きません。あとからいつでも修正できます。
頭痛ダイアリーと同じ6つのマーク。チカチカや視野の欠けがあったときは「前兆」をオンに。
天気・気圧、睡眠不足、ストレス、肩・首のこりなど。「多い誘因」として集計されます。
頭痛がない日もつけられます。設定で機能ごとオン/オフ。名前を直すと、これまでの記録の名前もそろいます。
設定でチェックした薬だけが入力画面に出ます。並び替えも自由。処方中のトリプタンは先頭に。
設定でオンにした場合のみ入力に表示。PDFでは日付の左に期間の線が出ます。
気づかないうちに増えていることがあるから
8日目から予告します。10日に達してからでは打つ手がないからです。薬を記録した瞬間と、入力画面の上部の両方に出ます。
月区切りでは見逃す月をまたいだ使いすぎも拾います。「目安の範囲内/あと◯日/超過」の3段階で表示。
薬を使う日は月10日以内、使わない日は月20日以上。すべての頭痛薬を合わせた目安です。
純白を避けた低グレアの画面。アプリもウィジェットも、まぶしさを抑えた淡い色にしています。
アプリの画面には説明を置いていません。痛いときに読む文字は少ないほうがいいからです。使い方はここにまとめてあります。
頭痛があったら 軽度・中等度・重度 のどれかを押すだけ。時刻は自動で入り、1日に何回でも記録できます。あとから時刻の修正や、痛む場所(左/右/両側)の追加もできます。
あてはまるマークをタップします。脈=脈打つ痛み/重=重い痛み/ピ=ピリピリ/は=はき気/吐=嘔吐/光=光がまぶしい。選んだマークはPDFにそのまま印字されます。チカチカや視野の欠けがあったときは「前兆」をオンに。
飲んだ薬をタップすると、その時刻で1回分が記録されます。錠数も選べます。2時間たったら通知が届くので、痛み・日常生活・副作用を記録。翌日に24時間以内のぶり返しも入れると、One and Done の達成率が出ます。
思いあたる誘因をタップしておくと、「多い誘因」として集計されます(1日にいくつ選んでも大丈夫)。サプリは設定でオンにすると毎日のチェック欄が出ます。全部飲んだ日は「すべて飲んだ」で一括です。
午前・午後で色分けされます。赤い丸=服薬、緑の十字=通院、紫の帯=サプリ、生理はピンクの点。日付を1回タップでその日の内容、もう一度タップで編集に入ります。
「通院」タブに診察日・病院名・処方を残しておくと、分析タブの 「受診日から」 をひと押しするだけで、その間の経過が出ます。「日付を指定」なら〇月〇日〜〇月〇日も自由に。受診のときは、この画面を見せてください。紙が要るときは同じ画面からPDFにできます。
設定でできること:お名前(PDFに印字)/使用トリプタンの選択/薬とサプリの管理/生理の記録のオンオフ/バックアップ(通院の記録と設定も含めて書き出し・読み込み)。
医療機関で使われている頭痛ダイアリーの形式を参考に、スマホで続けられる形にしました。
症状のマーク(脈・重・ピ・は・吐・光)、痛みの強さ、服薬、誘因といった項目は、頭痛ダイアリーの考え方にならっています。PDFも同じ並びで出力するので、先生が見慣れた形のまま渡せます。
学術的には「片頭痛」が正しい表記です。一方で、パソコンの変換や古い文献の影響から「偏頭痛」という書き方も広く使われています。どちらで覚えている方にも使っていただけるアプリです。
頭痛薬を使いすぎると、かえって頭痛を起こすこと(薬剤の使用過多による頭痛)があります。このアプリは、その手前でお知らせします。
目安を超えそうなときは、自分で我慢せず、医療機関で予防薬についてご相談ください。表示される情報は一般的なもので、医師・薬剤師の指示が優先されます。
体調の記録はとても私的な情報です。外に出さない作りにしています。